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Fintechの起源と言われるPaypalの儲かるビジネスモデルについて考えてみた

[fa icon="calendar"] 2016/03/10 10:55:26 / by DR Fintech編集班

DR Fintech編集班

 

FintechはPayPalで始まったとも言われています。

今となってはクレジットカードの取次ぎのような役割にも見えるPaypalですが、FintechはPaypalに始まったという表記を多数見かけます。

 

DSC_3886s.jpg 

PayPalのビルボード(サンフランシスコ 2015年9月)

 

Paypalが成功したわけ

そのPaypalの成功要因は主に次の2つだったようです。

  1. 個人間、あるいは個人とクレジットカード会社の審査を通らないような小規模企業との間のオンライン決済を可能にしたこと
  2. 個人間の決済ニーズの高かったeBayユーザーに支持されたこと

この2点を解決したことから、eBayの買収につながり、Paypalの創業者や投資家はのちにPaypalマフィアと呼ばれるほどの大成功者を輩出するに至りました。

そんな、Paypalのビジネスモデルを考え出したのが、マックス・レブチン(Max Lavchin)。Paypalの元CTOです。


 

彼が当時スタンフォード大学で講義をしていた投資家のピーター・シール(Peter Thiel)と出会い、Paypalの前身となる会社を立ち上げます。

*ご参考:ピーター・シールとマックス・レブチン、あと日本でも有名なイーロン・マスクなどPayPalの元経営者は、PayPal売却後得た巨額の資金を数多くのベンチャーやエンタテインメントに投じる投資家としてさらなる成功を上げているのでペイパルマフィアなんて呼ばれたりします。

 

 

Paypalのビジネスモデル

PaypalがeBayに買収された2002年からすでに14年も経ってしまったので、今となっては当初のビジネスモデルを調べるのが難しいのですが、画期的と言われるメール送金の仕組みから始まったこと、そして、銀行送金ができない個人や小規模企業の代わりに金融機関との連携を果たしたことを踏まえると、次のような機能の提供から始まったと思われます。

・商品の買い手のAさんと売り手のBさん両方がアカウントを作ります。

・売り手のBさんがAさんに例えば$100の請求メールを送ります。

・請求メールを受け取ったAさんが請求内容に同意すると、メール内のリンクをクリックします。

・するとPaypalの中でAさんのアカウントから$100を引き、Bさんのアカウントに$100を加える付替処理を行います。

  

この場合、Aさんのアカウントは-$100になりますが、$100以上の金額を事前に積み立てておいてもらう(つまり、Aさんに、実在する銀行のPaypalの口座に事前に小切手で支払ってもらう)か、手数料負担の上でその時にクレジットカードで払ってもらうことでPaypalは資金負担をしなくて済みます。

*Paypalはしなかったようですが、この短期資金のショート分の貸付まで行うサービスが現在のFintechでは生まれてきています。

次にBさんですが、アカウントが+$100になっていますので、Bさんが自分の銀行口座に引き落とせば(米国のPaypalは事前に接続確認をした銀行口座には金額に制約なく、手数料無料で引き出しできます。日本は5万円以上で250円/回の手数料がかかります)、現金として引き出すことができます。でも、もし、BさんがPaypalで支払いが可能な相手から何か購入する予定があれば、$100は引落とさずそのままPaypalにとどめておいて、次の支払い時に使えばいいわけです。

paypal_basic_model.png

 

このような仕組みでeBayを使う個人や小規模事業者は、それまで数日間かかっていた小切手の郵送による決済ではなく、瞬時に入金が確認できる電子決済が可能になり商売がスムーズなるという得をすることになりました。

 

Payalの儲けどころ

では、Paypalはどうやって儲けをだしたのでしょうか。

はっきりとはわかりませんが、次のような方法が考えられます。

先程の例を使うと、Bさんのアカウントに溜まった$100は、Bさんが資金をどこかに移すまでは、Aさんのリアルの口座からPaypalの銀行口座に振り込まれたまま、つまり、物理的(といっても銀行のアカウント上ですが)には、Paypalの所有のままなのです。

この$100は、いつかはPaypalからBさんに(或いはBさんの支払い先に)引き渡されることになるわけですが、その時が来るまでPaypalの銀行口座の中で遊んでいるわけです。

1998年当時は米国の普通預金口座の金利は5%以上あったようなので、仮に$100を1年間預かっているだけで$5の利益が発生することになります。eBayの2002年の登録者は61.7百万人だったと言いますから、仮に1/10の6百万人が$100を1年間動かさなかったと考えたら、それだけでPaypalは$5 x 6百万人 = 3000万ドル(120円換算で36億円)の金利収入を得ていたと推定することができます。(この資金を貸し出していれば信用創造そのものです)

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このような仕組みを提案したのが、ウクライナ出身でイリノイ大学で計算機工学の学位を取得したマックス・レブチンで、その提案に乗って最初の資金を提供したのがピーター・ティールという組み合わせです。

 

私が読んだマックスとピーターの出会いはごくごく偶然のような話でした。ここでピーター・ティールに出会ったというのは運命的としか言いようがありません。なぜなら、ピーター・ティールという男は強烈なリバタリアンであり、ニューヨークのクレディスイスでデリバティブ取引をした後、シリコンバレーに戻り、自分自身の投資ファンドを運営していたFintech革命のために生まれたような男だったからです。。。(次回に続く

 

ピーター・シール等著、シリコンバレーの著名ベンチャーキャピタリストが注目するFintech企業をまとめた「Fintechレポート2016春」の詳細はこちら

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注1:Paypalのユーザー数についてはこちらを参考にしました。
http://ebay.about.com/od/ebaynewsarchive/a/_ena_decade.htm

注2:Paypalのビジネスモデルについては以下のブログ記事も参考にしています。
http://www.eurohope.com/kio/archives/200403132

Topics: fintech, paypal, ビジネスモデル, ピーター・シール, イーロン・マスク, マックス・レブチン

DR Fintech編集班

Written by DR Fintech編集班

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